三菱鉛筆ジェットストリームをクロスセンチュリー2ローラボール軸ボールペンへ装着
クロスのボールペン… その中でもセンチュリー2は米国のトランプ/バイデン大統領の署名用ボールペンとして有名だ。冒頭画像のように “スパーダーマン” バージョンも存在する。
ちなみに米国では油性インク、ジェルインク、水性インク、フェルトペン全てを使用できるセレクチップモデルと呼ばれるキャップ式ローラーボール軸が有名である。米国大統領たちが使用しているのも特別バージョンが商品化されたのもセレクチップモデルである。
今回はそのセンチュリー2セレクチップモデルに三菱鉛筆ジェットストリーム替芯の装着方法が判明したので、その内容を紹介させて頂くことにする。
センチュリー2の内部構造
実をいうと最初は「ともかくチャレンジ!」で成功したものの、なぜか即席ジェットストリーム互換芯の先端が突出し過ぎるという状況に困惑していた。もちろん付箋紙を丸めた部分を適切に調整すれば適切なペン先となるので、実用的には問題なかった。
しかし… 謎を謎のまま放っておけないのが、エンジニアという人種の性というものである。ジェットストリーム以外のプラスチック替芯も試してみた。最後にはつまようじを使って、内部を “触診” してみた。
(残念ながら拙宅には内視鏡のようなファイバースコープ設備はない)
このような調査によって分かって来たのは、センチュリー2の内部が2段階構造となっているという事実だった。外側から見るとペン先の口金部分近くで鉛筆の芯くらいの内部径へと狭まり、さらに先端口の手前5mmくらいのところでギリギリまでの内部径へと狭まっている。
察するに替芯(リフィル)と口金がぶつかってカチャカチャと音を立てないようにするため、先端口の手前5mmくらいだけ狭めているのだろう。
図で説明すると、下記のようになる。三菱鉛筆ジェットストリーム互換芯を逆向きに入れてみようとしたら、見事に第一段の入口部分で止まってしまった。
個人的には少しだけ内部径を変える二段階方式よりも、ラミーなどのように大きな二段階にした方がペン先のグラつきを減少できるような気がする。
ただし僕は替芯のガチャつきが好きではないので、いつもセロテープの切れ端を貼り付けるか、爪用の透明マニキュアを塗ってペン先部分を調整している。そういう者からすると、別にどちらでも大差ないというのが正直な感想だ。
ジェットストリームの装着方法
さて内部構造からジェットストリーム互換芯を作成する方法を再考すると、替芯先端の金属部分を同じ太さまで削る必要は一切なく、インク色のプラスチック部分と透明プラスチック部分の双方を、少しだけ削ってやれば良いということが分かって来た。
そこでカッターで丁寧に少しだけ削ってみたら、結果は「ビンゴっ!」という次第だった。なまじ頑張って金属部分と同じ太さまでジェットストリーム替芯を削っていたので、替芯の先端が突出していたという訳である。
この替芯の先端部分の太さを削る作業は、紙やすりなどでも大丈夫そうに思えた。もしも細かい作業が不得意ということであれば、そういった方法を考えても良いだろう。
なお予算に糸目を付ける必要が無いというのであれば、4C替芯とリフィルアダプターを購入してしまうのも一案である。ただし4C芯では0.28mm径の替芯が存在しないので、0.28mm径の互換芯は実現できない。
僕の場合は「外から見えなけりゃ気にならない」ということで、上記のように付箋紙を巻きつけただけの互換芯を利用している。なおこの方法はタウンゼントにも有効である。
(ただしタウンゼントは大きめに製作されているようで、ジェットストリーム替芯によっては全く削らなくても装着可能な場合もありそうだ)
まとめ
以上の通りで、クロス定番のセンチュリー2やタウンゼントのセレクチップモデルへ三菱鉛筆ジェットストリーム替芯を装着することに成功した。
なおスパイダーマンバージョンは2022年12月31日時点では入手困難になっているが、僕の場合は2022年11月に英国Amazonマケプレで購入できた。またフリマやオークションではメダリストが多く出品されている。
僕もデザイン的にメダリストが気に入っているし、証券取引所などが記念バージョンとして提供するのもメダリストが多い。クロームがローエンドモデルとなるが、それよりもゴールドカラーがあった方が楽しいというところだろうか。
なお「なにをチマチマとしたことに興味を持っているの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれないが、0.28mmジェットストリームでもクッキリとした黒色が読みやすさを実現している。手帳へメモ書きするといった用途に限定するのであれば、この0.28mmで十分だろう。油性インク特有の「ヌルヌル感」もない。
それにペン先のボール(チップ)が0.28mm径ということは、それだけインク消費量が少ないということだ。僕の場合は半年程度は1本で済むので、貴重な時間を浪費することはない。
ともかくセンチュリー2の互換芯を作成するために内部構造を理解できたのは何よりだった。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静