日本製のポーラス芯をクロスのセンチュリー2ボールペンに装着!
信じられないかもしれないけれども、今回は日本製のポーラス替芯をクロスのセンチュリー2ボールペンに装着成功したという自慢記事。ちなみにポーラス替芯は2022年12月19日時点で、ヨドバシカメラ送料込み198円(税込み)だった。
この手を見れば、だいだい全ての事情が分かってしまう人もいるだろうか。
それではさっそく、事の始まりから語らせていただくことにしよう。
(分かったらばシャーロック・ホームズの “赤毛連盟” ですかな)
まず冒頭画像に映っているのが、クロスのセンチュリー2だ。センチュリー2には油性ボールペン軸や万年筆軸が存在するが、こちらはセレクチップ軸(ローラーボール軸)と呼ばれるモデルだ。最近はトランプ元大統領やバイデン大統領が使っているせいか、有名度がアップしている。
替芯(リフィル)としてはゼブラSARASAのようなジェルインク芯、事務用ボールペンみたいに伝統的な油性インク芯、そしてポーラス芯が販売されている。
油性ボールペン用の互換芯を求めている人は、三菱鉛筆SK-8を検討すると良いだろう。クロス純正芯よりは手頃な価格だし、日本製の互換芯だ。
ポートラスというのはPorous (多孔質の、コンクリートの)といった英単語であり、どうやらペン先には多孔質材を使用しているらしい。しかし一方で商品ラベルにはフェルト・チップ(Felt-tip)と印刷されているから、本当に多孔質材なのかは謎である。
ともかくサインペンのような書き心地で、使っていても楽しい。
トランプ元大統領は中字(M)を好んで使用していたけれども、その気持ちは何となく分かる。
紛失してしまったセンチュリー2とポーラス芯(M)の組み合わせは快適だった。だからアチコチに持ち歩いて使っており、ある時に油断して行方不明になってしまった。
(こちらは英国Amazonで格安販売されていたスパイダーマン中古品モデルだ)
さて事の発端だけれども、仕事の関係で75mm x 75mmの付箋紙を使うことになった。これを何十枚も貼り出して、それらを眺めて分析作業を遂行する。
トムクランシー原作テレビドラマのジャックライアンみたいなものだ。
こういう時には太文字が見やすくて便利だ。
(そういえばちょうど第3シーズンが始まったか。テレビドラマでは黒と赤のサインペンを使っていたし、彼も最後は大統領になるんだよなあ)
で、久しぶりにクロスのセンチュリーとポーラス芯の組み合わせを復活させようとしたけど、なぜか日本国内では中字(M)のポーラス芯が売り切れ状態だ。英国も米国は品薄程度だったけれども、米Amazonでは黒が売り切れだった。
仕方がないので青を注文したけれども、最近は配送料が無茶苦茶に高くなっている。
1月下旬の到着予定ということだった。
それまで待っているのは辛いよー
しかしクロスの替芯は形状が独特で、モンブランやラミーに互換芯として装着することは可能だけれども、その逆に他社製の互換芯をクロスに装着するのは難しい。
ピアレス125ダースベイダー卿モデルにS.T.デュポンのフェルト芯を装着できる程度だった。
クロスの中でも、特にセンチュリー2はシビアだ。
つまり事務用ボールペンの替芯やクロス油性ボールペンの替芯のように、爪楊枝くらいの太さしかない空間部分が長いのだ。
ちなみに油性ボールペン軸ならば三菱鉛筆ジェットストリームのプラスチック替芯を使えるのに、セレクチップ軸では内部空間が狭過ぎて使えない。
ここは大人しくあきらめて今回だけはサインペン… サインペン?
ここで ”なんちゃってジャック・ライアン” の「灰色の脳細胞」はフル回転を始めた。
実際にサインペンを解体してみると分かるけれども、あれはインクを染み込ませた綿みたいな素材に、フェルト芯を突き刺してペン先へインクを送り出す構造になっている。
だからセンチュリー2には使えないポーラス芯を解体して、ペン先部分はカバーなしで使うということは可能だったりしないだろうか?
うれしいことに、ゼブラがフィラーレでWSM(P-RWSM-BK)というフェルト替芯を商品化していた。
ちょうど良いことに、付箋紙に書き込むのにはピッタリの文字太さだ。ポーラス芯の書き心地は忘れてしまったけれども、このゼブラのポーラス芯も悪くない。
そして何より、ヨドバシカメラから送料込みで198円(2022年12月19日時点/税込み)で購入できることが素晴らしい!
作り方は簡単だ。
爪楊枝みたいなペン先は、ニッパなどで気づ付けないように気をつけながら引き抜いてしまう。そしてセンチュリー2とフィットさせる目的もかねて、フェルト芯には幅15mmくらいのセロテープを巻き付ける。
あとはセンチュリー2に装着してみて、少々の筆圧ではヘコみそうにないことを確認する。
それが終わったら、金属製の本体をセンチュリー2に装着するだけだ。
そうやって出来上がったのが、冒頭画像のセンチュリー2スパイダーマン特別モデルである。
ジャックライアンのようなCIA分析官とはイメージが異なるが、スパイダーマンも世界を守るヒーローだ。
この際、細かいことは考えないことにしよう。
そしてもうお分かりだろうか。
さすがに爪楊枝みたいなフェルト芯へセロテープを巻き付けるような作業が必要となるため、どうしても指先が汚れてしまうのである。
事前に全てが分かるような人がいたら、膝にこびりついた土から銀行強盗を推理したシャーロック・ホームズのような推理力の持ち主だろうか。
いずれにせよ、クロスのポーラス芯が手元になくても、何とか僕は仕事できるようになったのである。
それでは今回は、この辺で。ではまた。
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記事作成:小野谷静